8月某日、首相官邸

「出馬に関して、ひとつだけ条件があります。
勝ったあかつきには、ボクを"総務大臣"に任命して
いただけますか?」
と真剣なまなざしで、堀江は小泉の表情をうかがった。

「もちろん、メディア会社を運営しながらというわけ
にはいきませんからボクは会社を離れます。
本当にボクは日本を本当に変えたいんですよ」

小泉は目をつむったままじっと聞いている。

「郵政の民営化もボクならば成功させることが
できる…と思います。しかし、日本経済を回復させる
一番の問題は、郵政ではなく、総務省なんですよ。
小泉さん!」

と堀江は小泉に勝負を賭けた。

堀江の言葉に耳をかたむけていた小泉は、ゆっくりと目を
あけた。

「よし、やってみるか」

堀江の顔に笑顔がもどった。

総理は秘書にリークしてもいいという意味のサインを送り、秘書は、急いで新聞社に電話をいれた。


その頃、同じ霞ヶ関では…

民主党の岡田は、幹部と一緒にサイバーエージェントの藤田晋に出馬を要請する段取りを進めていた。ソフトバンクの孫に断られたところなので、焦っていた。

通信と放送が融合する前に政界とIT業界が融合しそうな今年の選挙だ。