2005年08月6日放送分の「世界!超マネー研究所」を見た。
http://www.ntv.co.jp/maneken/

第二の人生研究所ということで、ボリビアの首都ラパスで、日本流・焼き鳥屋を事業展開し、軍資金がなくなれば即閉店という変り種系のバラエティ。

チャレンジするのは、ドロンズの石本武士(31歳)。タレントとしては、NTVの『進め!電波少年』 *南北アメリカ大陸縦断ヒッチハイク(1997年)でデビュー。猿岩石のユーラシア大陸に次ぐ、チャレンジであった。

NTVのエンタテインメント・ドキュメンタリー番組(ドキュメンタリー&バラエティ)の手法であるが、南米ボリビアで「焼き鳥」というビジネスの目のつけどころは、秀逸。しかし、石本氏が、必死にやればやるほど、タレントのやらせ的なのか、真剣なのかがわかりにくい。電波少年的なニオイがぷんぷん。

ドロンズの石本氏も、タレントとして、やっていけるのかどうかは今後は、未知数である。それであれば第二の人生をかけて、番組を利用して起業するというのは確かにありである。

少なくとも、電波を通じて、感じる彼の起業への熱意は非常に伝わる。ビデオで何度も、「何か動かなければ意味がない」という趣旨のコトバが何度も出てくる。これは、立派なベンチャースピリッツだ。また、諸外国の慣習を、我々は、影となっているディレクターのハンディカメラを通じて、垣間見ることができる。

開業するために、不動産屋をまわり、人材を雇用し、メニューを作成して開店。しかし、初日は2組のみ。味は、現地スタッフのおすみつきもある。そこで工夫が生まれる。
雇用した人材を遊ばせるのではなく、活用するためにチラシを作ったり、地元のテレビ番組に出演したりして、マーケティング展開をはじめてからは軌道にのりはじめるようになる。

TV局連動の、企画店舗は、マーケティング的に有利だ。古くは、「元気が出るテレビ」の「江ノ島ハウス」からデビット伊東の「でび」などがある。初期の認知をあげるには最短スピードだ。しかし、継続となると、話題が一巡した時点でその効果はあまり期待できなくなる。あとは、基本的な運営にかかる。

たとえ海外であっても、日本のTV局が企画店舗をだせば、地元の放送局は気になる存在だ。外国人が、現地料理をアイデアを駆使して提供するのだから。

フレンチのコメディアンが、フレンチの伝統的な庶民料理を変わったスタイルで提供するならば、一度は行きたくなるからだ。


しかし、企画店舗は、まるでドラマのように、ボリビアの反政府デモに巻き込まれていく。
http://news.goo.ne.jp/news/jiji/kokusai/20050607/050607064331.6jy3uak1.html

店はオーナーによって、ロックアウトされ、反政府デモと警察の衝突によって、営業どころでなくなり、メルカード(市場)などにも、装甲車などが登場し、せっかくの店舗も運営ができなくなり、閉店を余儀なくされる。

バラエティ番組ではありえない、警官隊とデモの様子が見られるが、視聴者は当事者感覚でそれをうけとめることができる。これは石本にボクの感情が移入しているからだ。このように、ボリビアの政局を身近に感じることができたことは、テレビを通じて世界の見識が広がったようだ。もちろん、テレビ的にも美味しい事件だ。

スタッフからは、情勢不安で番組撮影の続行が無理と言われ、石本氏はやむなく中止となり帰国となった。スタッフに解雇を告げることなく、空港に向かわせられたが、ラッキーにも、飛行機もデモによるストライキで飛んでいなかった。

幸い、すぐに石本氏は、街にもどり、3名雇用した社員に、解雇を告げることができた。このシーンには、事業を失敗してでの解雇ではなく、成功していながら、反政府デモによる治安悪化によるものなので、石本は、悔しい思いで一杯になりながらも、勇気ある撤退に誇りを持ったことだろう。しかも、社員に惜しまれながら、この場を去れる。番組のハイライトだ。思わず、目頭が熱くなる。

ベンチャーに特に必要なのは、この小さな成功体験の繰り返しである。事業は簡単ではないが、やりとげること、チャレンジすることの有意義は、ベンチャーの人生でないと味わえないものだろう。

そして、石本はスペシャルゲストとして、スタジオに呼ばれるが、編集に「愛」がなく、笑福亭鶴瓶に長嶋一茂らのコメントも、ありきたりだ。リアクションでのリズムだけでつないでしまっている。ロケでの圧倒するインパクトを、感動のシーンに持ち上げられるハイライトなのに、政局が安定したボリビアへ向かう石本の再会編までビデオで放送してしまう始末。持ち越してもよかったはずだ。

ロケの素材をスタジオの演出で殺してしまっては、制作会社があまりにもかわいそうすぎるのではないだろうか? 良質ないいコーナーだけに、単なるバラエティ色でコメントがおわらないように、引き締められる解説のできる人のキャスティングを再考ねがいたいものだ。

タイトルからも、バラエティだけではなく、情報エンタメ番組としても通用するつくりを考えてほしい。

制作は、アンジュ・ド・ボーテ http://www.ange.co.jp/about_ange.html
海外にこれだけのクルー兼、カメラマン兼、ディレクターをとばしている
http://www.ange.co.jp/ranking_2004.html